はじめに
Excelでデータを扱っていると、
「文字列の一部だけを取り出したい」場面がよくあります。
例えば、
- 社員番号「A12345」から数字部分だけ取り出したい
- 氏名「山田 太郎」から姓や名を分けたい
- 郵便番号や電話番号の一部を抜き出したい
こうした文字操作に便利なのが、
LEFT関数・RIGHT関数・MID関数 の3兄弟です。
この記事では、それぞれの基本的な使い方と違い、
そして実務での活用例をわかりやすく解説します。
LEFT関数(左から抽出)
書式
=LEFT(文字列, 文字数)
例
| A列(元データ) | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| A12345 | =LEFT(A1,1) | A |
| 2025/10/06 | =LEFT(A2,4) | 2025 |
ポイント
- 「左からn文字」を取り出す
- 文字数を省略すると1文字だけ抽出
活用例
社員コード「A12345」 → 「A」(種別)部分を抽出
RIGHT関数(右から抽出)
書式
=RIGHT(文字列, 文字数)
例
| A列 | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| A12345 | =RIGHT(A1,5) | 12345 |
| 2025/10/06 | =RIGHT(A2,5) | 10/06 |
ポイント
- 「右からn文字」を取り出す
- 数字やコードの末尾を抜き出すのに便利
活用例
社員コード「A12345」 → 「12345」(番号)部分を抽出
MID関数(途中から抽出)
書式
=MID(文字列, 開始位置, 文字数)
例
| A列 | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| A12345 | =MID(A1,2,3) | 123 |
| Excel関数 | =MID(A2,3,2) | cel |
ポイント
- 「n文字目からm文字を抜き出す」
- LEFT/RIGHTより柔軟な抽出が可能
3つの関数の違い
| 関数名 | 抽出位置 | 書式例 | 結果(A12345) |
|---|---|---|---|
| LEFT | 左から | =LEFT(A1,1) | A |
| RIGHT | 右から | =RIGHT(A1,5) | 12345 |
| MID | 任意の位置から | =MID(A1,2,3) | 123 |
応用①:氏名を姓と名に分ける
| A列(氏名) | 式(姓) | 式(名) |
|---|---|---|
| 山田 太郎 | =LEFT(A1,FIND(" ",A1)-1) | =RIGHT(A1,LEN(A1)-FIND(" ",A1)) |
ポイント
- FIND関数で「スペースの位置」を特定し、その前後で分割
- 半角スペース
" "の代わりに" "(全角スペース)にも対応可
応用②:郵便番号から地域コードを抜き出す
| A列(郵便番号) | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| 100-0001 | =LEFT(A1,3) | 100 |
| 530-0005 | =LEFT(A2,3) | 530 |
応用③:電話番号の下4桁だけ表示
| A列(電話番号) | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| 090-1234-5678 | =RIGHT(A1,4) | 5678 |
応用④:コードや商品番号の一部抽出
| A列(商品コード) | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| X-AB-9876 | =MID(A1,4,2) | AB |
| X-AB-9876 | =RIGHT(A1,4) | 9876 |
他の関数と組み合わせると最強
LEN関数(文字数を数える)
=LEN(A1)
→ 文字列の長さを取得できる。
RIGHTやMIDの位置指定に便利。
FIND関数(特定文字の位置を探す)
=FIND("-",A1)
→ 文字「-」がどの位置にあるかを返す。
MIDと組み合わせて「区切り文字で分割」できる。
例:
=MID(A1,FIND("-",A1)+1,3)
→ 「-」の次の3文字を抽出。
実務での活用シーン
- CSVから読み込んだデータの コード抽出・分割
- 名前や住所を 姓・名・地域別 に整形
- 社員番号・商品コード・郵便番号などの 識別情報抽出
- システム連携時の データ前処理
まとめ
- LEFT関数:左から指定文字数を抽出
- RIGHT関数:右から指定文字数を抽出
- MID関数:途中の任意位置から抽出
- LEN / FIND関数 と組み合わせれば、柔軟な文字操作が可能
データを扱う上で「文字の分割・抽出」は必須スキルです。
これらの関数をマスターして、Excelでの文字処理をスムーズにしましょう。


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