UNIQUE関数で重複を除いて一覧化する方法【新関数シリーズ第3弾】

Excel

はじめに

Excelで「重複のない一覧を作りたい」とき、
これまでは手動で次のような操作をしていませんか?

  • [データ] → [重複の削除] を毎回クリック
  • 「元データが変わったらまたやり直し…」
  • ピボットテーブルで無理やり重複を除外

これらの手間をたった1つの関数で自動化できるのが、
UNIQUE関数(ユニーク関数) です。

FILTERやSORTと同じく「動的配列関数」の1つで、
重複を自動的に省き、一覧を自動更新できます。


UNIQUE関数とは?

書式

=UNIQUE(配列, [行方向], [一意項目のみ])

引数の意味

引数内容
配列重複を除外したい範囲
行方向行(TRUE)か列(FALSE)かを指定(省略時はTRUE)
一意項目のみTRUEなら“完全に一意なデータのみ”を抽出

基本例:重複のない一覧を作る

A列(支店名)
東京
大阪
東京
名古屋
大阪
=UNIQUE(A2:A6)

→ 結果:

支店名
東京
大阪
名古屋

ポイント

  • 重複を自動的に除外
  • 元データが増えても即時反映(動的配列対応)
  • 並べ替えはされない(必要ならSORT関数と併用)

応用①:複数列から重複を除く

A列B列
東京田中
東京鈴木
東京田中
大阪佐藤
=UNIQUE(A2:B5)

→ 結果:

支店担当者
東京田中
東京鈴木
大阪佐藤

複数列を範囲指定すれば、組み合わせ単位で重複判定してくれます。


応用②:UNIQUE+SORTで整列

=SORT(UNIQUE(A2:A100))

→ 重複除去と同時に、昇順で自動整列。

=SORT(UNIQUE(A2:A100),, -1)

→ 降順表示にも対応。


応用③:UNIQUE+FILTERで条件付き重複除去

A列(支店)B列(担当者)C列(売上)
東京田中100
大阪鈴木90
東京佐藤120
名古屋高橋110

「東京支店の担当者一覧を重複なしで表示したい」場合:

=UNIQUE(FILTER(B2:B5, A2:A5="東京"))

→ 結果:
田中
佐藤

ポイント

  • FILTERで条件抽出
  • UNIQUEで重複を除外
  • 常に最新データに自動対応

応用④:完全一意なデータだけを抽出

=UNIQUE(A2:A10,,TRUE)

結果: 重複が1つでもある項目は除外され、「1回だけ出現した項目」だけを抽出。

用途例

  • 一度しか購入していない顧客の抽出
  • 重複のない商品コード確認

応用⑤:横方向のデータにも対応

デフォルトでは縦方向(行)で処理しますが、
列単位(横方向)で重複除去も可能です。

=UNIQUE(A1:F1, FALSE)

→ A1:F1 の中で重複している値を1回ずつ表示。


FILTER・SORT・UNIQUEの組み合わせで最強に

新関数シリーズの三大定番、
FILTER(抽出)+SORT(並べ替え)+UNIQUE(重複除去) を組み合わせると、
自動抽出・自動並べ替え・自動一覧化がすべて1つの数式で可能になります。

例:地域ごとの担当者一覧を作成

=SORT(UNIQUE(FILTER(B2:B100, A2:A100="東京")))

→ 東京支店の担当者を「重複なし・昇順」で自動表示。


実務での活用シーン

  • 顧客リストや商品リストの重複除去
  • 取引先名簿から「1社1行の一覧」作成
  • 部署別・支店別の担当者リスト抽出
  • アンケートや回答データの集計

特に強力なのは、元データが増えても即反映される点。
毎回「重複の削除」を押す必要はもうありません。


注意点

  1. Excel 2019以降/Microsoft 365のみ対応
     古いバージョンでは使えません。
  2. 並び順は保証されない
     昇順・降順を指定する場合はSORTを併用しましょう。
  3. 空白セルの扱い
     空白は1つの値として扱われます(削除されません)。

まとめ

  • UNIQUE関数 は重複を除いて一覧を自動作成する新関数
  • 元データが変わっても即反映(動的配列対応)
  • FILTERやSORTと組み合わせると強力な自動リスト生成が可能
  • 「データのクレンジング」を自動化する最も手軽な方法

FILTERで「抽出」、
SORTで「整列」、
UNIQUEで「重複除去」。

この3つを使いこなせば、
あなたのExcelはもう“更新作業”とは無縁になります。

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