SEQUENCE関数で自動連番・日付リストを作成する方法【新関数シリーズ第4弾】

Excel

はじめに

Excelで「連番をふりたい」「日付リストを自動生成したい」とき、
こんな手間を感じたことはありませんか?

  • 1, 2, 3… と手入力してオートフィルでコピー
  • 月末日が変わるたびに日付リストを修正
  • 新しい行を追加したら、連番がズレて再入力

こうした“毎回の手作業”を一瞬で解決してくれるのが、
SEQUENCE関数(シーケンス関数) です。

FILTER・SORT・UNIQUEが「抽出・並べ替え・重複除去」を担当するのに対し、
SEQUENCEは 「データの土台を自動生成する関数」

この記事では、SEQUENCE関数の基本から実務で使える応用まで、
わかりやすく解説します。


SEQUENCE関数とは?

書式

=SEQUENCE(行数, [列数], [開始値], [増分])

引数の意味

引数内容
行数生成する行の数(縦方向)
列数生成する列の数(横方向、省略可)
開始値最初の値(省略時は1)
増分増える間隔(省略時は1)

基本例:1から10までの連番を作成

=SEQUENCE(10)

→ 結果:

1
2
3
10

ポイント

  • 行数だけ指定すれば1, 2, 3… と自動生成
  • セルのコピー不要!入力1回でリスト完成

応用①:任意の範囲で連番を作る

=SEQUENCE(10,1,5)

→ 「5,6,7…14」までの連番を自動生成。

増分を変えるとカウントアップ・カウントダウンも可能👇

=SEQUENCE(5,1,10,-1)

→ 10, 9, 8, 7, 6


応用②:複数列(2次元)の表を作る

=SEQUENCE(5,3)

→ 5行×3列の表を自動生成。

123
456
789
101112
131415

データ作成やシミュレーション表のベースとして便利です。


応用③:日付リストを自動生成

=SEQUENCE(7,1,DATE(2025,10,1),1)

→ 2025年10月1日から7日間の日付リストを自動生成。

応用:1ヶ月分の日付を作成

=SEQUENCE(DAY(EOMONTH(TODAY(),0)),1,DATE(YEAR(TODAY()),MONTH(TODAY()),1),1)

→ 当月の日付を1日〜末日まで自動生成。

※ 翌月になると自動的に更新される“動くカレンダー”も作れます。


応用④:曜日と組み合わせる

=TEXT(SEQUENCE(7,1,DATE(2025,10,1),1),"aaa")

→ 曜日だけをリスト化(例:水,木,金,土,日,月,火)

日付+曜日の組み合わせ

=TEXT(SEQUENCE(7,1,DATE(2025,10,1),1),"m月d日(aaa)")

→ 「10月1日(水)」「10月2日(木)」のように自動表示。


応用⑤:FILTERやINDEXと組み合わせて動的連番

=INDEX(A2:A100, SEQUENCE(COUNTA(A2:A100)))

→ A列のデータ件数分だけ自動的に連番を生成。

FILTERで条件抽出した結果に対しても連番を自動付与できます👇

=SEQUENCE(ROWS(FILTER(A2:A100,B2:B100="東京")))

→ 東京支店の抽出件数に応じて連番が自動生成。


応用⑥:表番号やIDを自動生成

="ID-" & TEXT(SEQUENCE(5,1,1,1),"000")

→ ID-001、ID-002、ID-003… と自動で連番付きIDを作成。

請求書番号・社員ID・注文番号など、管理番号の自動生成に最適。


実務での活用シーン

  • 日報やスケジュール表の自動生成(当月の日付+曜日)
  • 管理表の行番号/ID付け
  • 定期的なシミュレーションデータ作成
  • FILTER・SORTで抽出したデータへの自動連番付与

Power Queryでの整形処理の補助にも使える関数です。


注意点

  1. Excel 2019以降/Microsoft 365のみ対応
     旧バージョンでは使えません。
  2. セルを上書きする位置に注意
     動的配列の展開先に他のデータがあるとエラーになります。
  3. 増分が0の場合
     すべて同じ値(固定値)になります。

まとめ

  • SEQUENCE関数 は、連番・日付・IDを自動生成する関数
  • 行数・列数・開始値・増分を指定するだけで自在にパターン作成
  • FILTERやSORTとの連携で“自動更新される一覧表”が完成
  • カレンダーや番号付けを「手動更新」から完全自動化できる

FILTER/SORT/UNIQUEで「抽出・並べ替え・整形」し、
SEQUENCEで「自動生成」。

これであなたのExcelは、“更新不要なスプレッドシート” に進化します。

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