はじめに
Excelで「連番をふりたい」「日付リストを自動生成したい」とき、
こんな手間を感じたことはありませんか?
- 1, 2, 3… と手入力してオートフィルでコピー
- 月末日が変わるたびに日付リストを修正
- 新しい行を追加したら、連番がズレて再入力
こうした“毎回の手作業”を一瞬で解決してくれるのが、
SEQUENCE関数(シーケンス関数) です。
FILTER・SORT・UNIQUEが「抽出・並べ替え・重複除去」を担当するのに対し、
SEQUENCEは 「データの土台を自動生成する関数」。
この記事では、SEQUENCE関数の基本から実務で使える応用まで、
わかりやすく解説します。
SEQUENCE関数とは?
書式
=SEQUENCE(行数, [列数], [開始値], [増分])
引数の意味
| 引数 | 内容 |
|---|---|
| 行数 | 生成する行の数(縦方向) |
| 列数 | 生成する列の数(横方向、省略可) |
| 開始値 | 最初の値(省略時は1) |
| 増分 | 増える間隔(省略時は1) |
基本例:1から10までの連番を作成
=SEQUENCE(10)
→ 結果:
| 1 |
| 2 |
| 3 |
| … |
| 10 |
ポイント
- 行数だけ指定すれば1, 2, 3… と自動生成
- セルのコピー不要!入力1回でリスト完成
応用①:任意の範囲で連番を作る
=SEQUENCE(10,1,5)
→ 「5,6,7…14」までの連番を自動生成。
増分を変えるとカウントアップ・カウントダウンも可能👇
=SEQUENCE(5,1,10,-1)
→ 10, 9, 8, 7, 6
応用②:複数列(2次元)の表を作る
=SEQUENCE(5,3)
→ 5行×3列の表を自動生成。
| 1 | 2 | 3 |
|---|---|---|
| 4 | 5 | 6 |
| 7 | 8 | 9 |
| 10 | 11 | 12 |
| 13 | 14 | 15 |
データ作成やシミュレーション表のベースとして便利です。
応用③:日付リストを自動生成
=SEQUENCE(7,1,DATE(2025,10,1),1)
→ 2025年10月1日から7日間の日付リストを自動生成。
応用:1ヶ月分の日付を作成
=SEQUENCE(DAY(EOMONTH(TODAY(),0)),1,DATE(YEAR(TODAY()),MONTH(TODAY()),1),1)
→ 当月の日付を1日〜末日まで自動生成。
※ 翌月になると自動的に更新される“動くカレンダー”も作れます。
応用④:曜日と組み合わせる
=TEXT(SEQUENCE(7,1,DATE(2025,10,1),1),"aaa")
→ 曜日だけをリスト化(例:水,木,金,土,日,月,火)
日付+曜日の組み合わせ
=TEXT(SEQUENCE(7,1,DATE(2025,10,1),1),"m月d日(aaa)")
→ 「10月1日(水)」「10月2日(木)」のように自動表示。
応用⑤:FILTERやINDEXと組み合わせて動的連番
=INDEX(A2:A100, SEQUENCE(COUNTA(A2:A100)))
→ A列のデータ件数分だけ自動的に連番を生成。
FILTERで条件抽出した結果に対しても連番を自動付与できます👇
=SEQUENCE(ROWS(FILTER(A2:A100,B2:B100="東京")))
→ 東京支店の抽出件数に応じて連番が自動生成。
応用⑥:表番号やIDを自動生成
="ID-" & TEXT(SEQUENCE(5,1,1,1),"000")
→ ID-001、ID-002、ID-003… と自動で連番付きIDを作成。
請求書番号・社員ID・注文番号など、管理番号の自動生成に最適。
実務での活用シーン
- 日報やスケジュール表の自動生成(当月の日付+曜日)
- 管理表の行番号/ID付け
- 定期的なシミュレーションデータ作成
- FILTER・SORTで抽出したデータへの自動連番付与
Power Queryでの整形処理の補助にも使える関数です。
注意点
- Excel 2019以降/Microsoft 365のみ対応
旧バージョンでは使えません。 - セルを上書きする位置に注意
動的配列の展開先に他のデータがあるとエラーになります。 - 増分が0の場合
すべて同じ値(固定値)になります。
まとめ
- SEQUENCE関数 は、連番・日付・IDを自動生成する関数
- 行数・列数・開始値・増分を指定するだけで自在にパターン作成
- FILTERやSORTとの連携で“自動更新される一覧表”が完成
- カレンダーや番号付けを「手動更新」から完全自動化できる
FILTER/SORT/UNIQUEで「抽出・並べ替え・整形」し、
SEQUENCEで「自動生成」。
これであなたのExcelは、“更新不要なスプレッドシート” に進化します。


コメント