Power Queryでデータを自動整形する入門

Excel

はじめに

Excelでのデータ整形、毎回こんな作業をしていませんか?

  • CSVを開いて不要な列を削除
  • 半角/全角を直して、並び替えて、重複を削除
  • シートをコピーして貼り付け、別名保存……

これ、Power Queryを使えばすべて自動化できます。

Power Queryは、Excelに標準搭載されている「データ整形ツール」。
1度設定しておけば、次からはワンクリックで同じ処理を再現できます。

この記事では、初心者でもすぐに使えるPower Queryの基本操作と、
実務で役立つ自動整形のコツを解説します。


Power Queryとは?

Power Query(パワークエリ)とは、
Excel上でデータを読み込み → 整形 → 再利用するための機能です。

特徴

  • クリック操作で自動整形を記録できる(マクロ不要)
  • 元データを壊さない安全設計
  • 毎月のCSV・売上・アンケートデータなどを自動更新

従来の「コピー&貼り付け」「手作業整形」を、Power Queryで完全自動化できます。


基本ステップ①:データを読み込む

  1. 整形したい表を選択(範囲を含めて選ぶ)
  2. メニューから
     [データ] → [データの取得と変換] → [テーブル/範囲から] をクリック
  3. 「Power Query エディター」が起動します

💡ここで行う操作(列削除・並べ替えなど)がすべて“記録”されます。


基本ステップ②:不要列を削除する

  • 不要な列を選択し、右クリック → 「列の削除」
  • 複数列をまとめて選択してもOK

これで不要情報を自動的にカット。
次回同じCSVを読み込んだときも、同じ列だけ残ります。


基本ステップ③:列の分割・結合

Power Queryは「文字列操作」も得意です。

例:フルネームを姓と名に分割

  1. 「氏名」列を選択
  2. [列の分割] → [区切り記号による分割]
  3. 区切り文字を「スペース」に指定

→ 「姓」と「名」の2列に自動分割されます。

例:住所を結合

  1. 都道府県・市区町村・番地を選択
  2. [列の結合] → 区切り文字「 」を選択

→ 「東京都 新宿区 西新宿1-1-1」のように統合。


基本ステップ④:重複削除・並べ替え

  • [列を選択] → [重複の削除] で一意データのみに
  • [並べ替え] で昇順/降順を設定

毎月の売上やアンケート集計で「重複除去」を手動で行っていた方におすすめです。


基本ステップ⑤:出力(閉じて読み込む)

整形が完了したら、
右上の [閉じて読み込む] をクリック。

結果がExcelシートに自動出力されます。
次回以降は、元データを更新して [更新] ボタンを押すだけ で、
同じ整形処理が自動的に実行されます。


Power Queryのここが便利!

🔁 自動更新できる

同じ形式のCSVを毎月読み込むだけでOK。
「列削除・整形・並べ替え」などが全自動で再現されます。

🔒 元データを壊さない

Power Queryは元データを直接編集しません。
安全に試行錯誤できるのが魅力です。

📈 関数と組み合わせ可能

整形後のデータをExcel関数やピボットテーブルで活用できます。
「関数で部分的に加工 → Power Queryで全体を整形」の使い分けが最強です。


実務での活用例

① 毎月の売上データ統合

複数店舗・担当者ごとのCSVをPower Queryで結合し、
1つの表に自動統合できます。

② アンケートデータのクレンジング

不要な列・空白行・重複データを一括除去して集計可能。

③ システム出力データの自動整形

受発注システムやPOSのCSV出力を、
フォーマットに合わせて自動変換・再出力。


関数との違い・組み合わせ方

項目Power QueryExcel関数
操作方法GUI操作中心(クリックで変換)数式ベース
処理対象大量データ・CSV・テーブルセル単位の処理
更新ワンクリックで再実行再計算が必要
向いている用途データ整形・結合・集約数値計算・分析

まとめると:

関数は「部分的な加工」
Power Queryは「全体の整形」

この2つを組み合わせれば、Excelの処理効率が圧倒的に上がります。


まとめ

  • Power Queryは、Excelの「データ整形を自動化」する機能
  • クリック操作で列削除・分割・重複除去などを記録
  • 1度設定すれば、次回からボタン1つで再実行
  • TRIM・SUBSTITUTE・VALUE関数での整形よりも全体処理が速い

日々の「コピペ整形作業」を卒業して、
1回設定 → 毎回自動整形 の効率化を体験しましょう。

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